『Super Build/FA1』の導入事例
実務レベルで考えることを身に付けていく際のツールとして役立っています。
大阪工業大学
馬場 望 准教授
所在地:大阪府大阪市 業種:学校
ご利用のきっかけをお聞かせください。
構造計算を教えるにあたって、以前はいかに設計の流れを理解させるかに主眼を置き、手計算による設計のみに注力していました。しかし、実際に社会に出て構造設計事務所に勤務するようになると、手計算で設計することは少なく、大半は市販の構造計算プログラムで計算しているのが実状です。時代の変化に伴い、教え方も変えていく必要性を感じるようになりました。
そこで、手計算に最も時間を費やす応力解析の部分は、市販のプログラムを使ってみようということになり、シェアの高い『FA1』を導入しようということになりました。
主な利用方法を教えてください。
学部3回生から『FA1』を使い始めます。S造2階建ての物件を対象として、仮定断面を示した上で『FA1』を使い応力解析を行います。このとき、出力結果は数値のみを出力させ、応力図は学生自身の手で描かせることによって、ラーメン骨組の応力図のイメージを植え付けるようにしています。
4回生からは、RC造2階建ての物件を計算します。3回生の時と同様に、CMoQoは手計算で行わせますが、ここでもフレームの応力解析は『FA1』を使っています。院生になると、仮定断面も与えずに最初からRC造12階建て共同住宅の計算を行います。ここでは、『SS3』も使わせるようにしています。
これらの取組みの一番の狙いは、実際の設計業務の一部を経験させることによって、構造設計に興味をもってもらうことですね。
導入効果を教えてください。
実務の一部を体感しながら構造設計の考え方や流れを身に付けていく際のツールとして役立っていると思います。また、『FA1』を使うようになってから、こういったプログラムを使いこなさないと実際の構造設計が行えないことを、学生自らが理解するようになりました。
院生からも、「『SS3』の理解は厳しいが、『FA1』を使用した訓練によって、応力解析の流れは理解できる。」という声がありました。
今後の展望について教えてください。
院生については、動的解析(『DynamicPRO』)まで進みたいというのもありますが、現在は、学部生には構造設計に興味をもってもらい、設計の流れを一部でも体感すること、院生には仮定断面を決める感覚を養ってもらうところまでですね。今後、有限要素解析も構造設計業界では重要になると思いますので『FEM』も使ってみたいですね。
本日は、ありがとうございました。
取材協力:馬場 望 准教授
- 【 会社名 】
- 大阪工業大学
- 【 URL 】
- http://www.oit.ac.jp/
- 【 所在地 】
- 大阪府大阪市
- 【 事業内容 】
- 建築構造学(鋼・コンクリート混合構造)