『SS21/DynamicPRO』の導入事例
概算検討を依頼していただける構造設計者様の多くが『SS3』をご利用されているため、スムーズなデータ連係が可能であり、とても助かっています。
昭和電線ケーブルシステム株式会社
谷川 友秀 様
所在地:東京都港区 業種:自治体・団体
主な業務内容を教えてください。
弊社では、お客様が免震建物の検討を行う初期の段階で免震部材の概算検討のお手伝いを行っております。弊社は、低層建物から高層建物まで幅広い対応が可能な3種類の摩擦係数のすべり支承と幅広い品揃えの天然ゴム系積層ゴムを製造販売しております。また、錫プラグ入り積層ゴムはOEM製造を行っております。支承材の特長としましては、弾性すべり支承は摩擦係数のバラツキを抑えた構造設計者様にとって扱いやすい仕様となっています。積層ゴム(錫プラグ入り積層ゴム含む)は、本体ゴム加硫成型後にフランジを取り付けるため、フランジの形状やボルト位置の変更が容易となり、免震層の計画変更に容易に対応できるという特徴を備えております。また、軽量建物用に開発した小軸力用の剛すべり支承、および戻し材としてご利用いただく復元材もご用意しております。
ソフトウェアをご利用になったきっかけを教えてください。
以前から、『Microsoft® Excel®』を使ってコストと性能のバランスがとれた設計を目指し、お客様免震計画時の部材選定のお手伝いをしておりました。その後市販ソフトウェアである『IsolationPRO』が販売されたため、信頼性が向上すると判断し2007年に導入しました。また、近年は計画時に時刻歴応答解析のデータを用いた部材選定のご依頼をいただくようになり、昨年『DynamicPRO』『SuperDynamicPRO』も導入することとなりました。
主な利用方法を教えてください。
『SS3』の保有耐力まで計算が流れる状態のデータをいただき、『IsolationPRO』にデータをリンクさせます。その後、告示の基準を満たしつつ、偏心率等を抑えるための当たりをつける作業を行います。また、弊社では製造していないダンパーについても利用させていただいております。概算検討を依頼していただける構造設計者様の多くが『SS3』をご利用されているため、スムーズなデータ連係が可能であり、とても助かっています。
ご利用になって良かったところを教えてください。
前述のようにお客様の『SS3』のデータを『IsolationPRO』と『DynamicPRO』に連動させることにより、私たちの業務が効率化されたため、①お客様が非免震か免震か迷われている案件が免震建物になったこと。②いくつかの免震部材を比較していただき弊社部材の良い点をお客様にご理解いただけたこと。①と②の結果から弊社製品の受注に結びついたこともございます。また、上部構造が『SS3』でない場合は、軸力等を入力していくわけですが、その際にもお客様からいただいた『Microsoft® Excel®』データからコピー&ペーストできるため、非常に助かっております。メーカーなので免震設計は行っておりませんが、前述のように計画時点で免震化が決定し、免震建物が増えることが私たちの願いです。現在はお客様のデータを入力し部材選定をしておりますが、将来はもう少し免震設計を勉強しメーカーとしてのお手伝いできる幅を広めていきたいですね。
逆にお困りになった点や注意されている点はございますか。
概算検討ということもあり、いただいた『SS3』のデータが保有耐力まで流れていないことがあります。特に配筋が入っていないと弊社では手の打ちようがなくなってしまいます。また、他の構造ソフトウェアデータからのデータ読み込みができないので現状はお客様からいただいたデータを手入力で対応することもあります。さらに、『IsolationPRO』の選定計算で選定される支承材は軸力に対して余裕のない面圧で使用させることがあります。そのまま概算検討を続けていくと、せん断のチェックであと戻りの計算になることが出てきますね。
他社メーカーのソフトウェアと比較していかがでしょうか。
メーカーなのでプログラムは詳しくないのですが、他のプログラムはお客様からもお聞きしたこともご相談を受けたこともありません。話をしていても、告示計算については『Microsoft® Excel®』か『IsolationPRO』以外、見たことがないといった反応が多いです。
その他、ユニオンシステムに対してご意見・ご感想などあれば教えてください。
今まで3名の営業の方に担当してもらいましたが、みなさん相談しやすい方ばかりで、とても助かっています。『IsolationPRO』への要望といった意味では、大臣認定の範囲で設計者が定めるバラツキが入力できないのかというお客様の声を良く耳にします。プログラムメーカーとして大臣認定部材を搭載するという意味では仕方ないのかも知れませんが、設計の自由度を考えれば工学的な判断で定めたバラツキを入力できる機能があれば良いと思います。
本日は、ありがとうございました。
取材協力:谷川 友秀 様
- 【 会社名 】
- 昭和電線ケーブルシステム株式会社
- 【 URL 】
- http://www.swcc.co.jp/dt/menshin_sp/
- 【 所在地 】
- 東京都港区
- 【 事業内容 】
- デバイス関連事業の営業・技術・資材調達・製造など、電機・電子・情報機器市場へ対応する業務