『Super Build/SS7』の導入事例

有限会社 榎本設計

ソフトウェア

『SS7』のマニュアルが設計を学ぶための良い教科書になると思います。

有限会社 榎本設計

榎本 浩二 様、牧野 一典 様

所在地:兵庫県神戸市  業種:構造設計事務所

貴社の主な設計内容を教えてください。

数年前までは学校施設関連の耐震診断や補強設計の発注が多かったのですが、今年はRC造建築物の構造設計を手掛ける機会が増えています。全体の約70%がマンションといった共同住宅で、10~15階の中高層の物件が主流です。残りの30%は事務所やホテル、工場などのS造です。

『SS7』を導入されたきっかけを教えてください。

従来、使っていた『SS3』に比べ、機能がより良くなった事はもちろんですが、行く行くは『SS7』に切り替わるのであれば、早く使って慣れた方が良いと判断したからです。使い込んできた『SS3』の方が入力も慣れているので、設計も早く終わると思いますが、モデル化できない建物に対しては手計算で補う必要があります。『SS3』に頼る場面はまだ多いですが、『SS7』に慣れていけば、活用する物件も増えていくと思います。しかし、トータルで言えば、『SS7』の方が1つ1つすべての要素で便利になっています。
入力部では、逆梁やスキップフロアなどは『SS3』でモデル化できませんでしたし、スリット形状のバリエーションも3種類しかなく、開口数も不足していたので別途、補正が必要でした。計算部だと、『SS3』では鉄骨造の仕口部の検討や、鉄筋コンクリート造のカットオフ筋がある場合は、Excel®を使って曲げ終局強度を再計算したり、靭性指針式でやり直したりしていました。『SS7』ではこれらの手間が省けるので、結果的に設計が早くなります。

具体的に『SS7』の良かった機能を教えてください。

建物形状の自由度が増していて、入力もしやすく確認しやすくなっています。解析のスピードもとても速くなりました。梁が色々な方向に配置される多角形形状の建物で『SS7』を使用してみましたが、梁の両端部の結合状態が一目で剛(接合)かピン(接合)か把握できました。1本部材の指定においても、どこからどこまでが指定されているのか、視覚的に認識できます。また、多剛床上限が99まで拡張され、保有水平耐力の結果も多剛床ごとに出力されるので、複雑な形状にも対応できるようになりました。
視認性の面では、画面上で符号を選択すると同じ符号を含め色が強調され、部材の配置を視覚的にとらえやすくなりました。結果出力についても、NGの箇所が赤字で表示されるため、非常に見つけやすくなりました。部材寄りなどを指定できるようになったことで、実際の形状どおりに作図される機能もNG発見に役立っています。斜めに少しずつ雁行(がんこう)していくような建物を設計しましたが、一部の部材に荷重の拾い漏れが生じていることに気付かせてくれました。
入力部では、建物回転機能が加わりました。基本計算から実施設計に至る過程では何度、打合せを行っても建物プランが回転したり反転したりすることがよく起こります。『SS3』では再度、方向を変えて再入力し解析をかけるのですが、時間の制約もあり入力ミスも生じやすかったです。そのミスを見つけるのに一苦労していたのですが、『SS7』では分かりやすくなりました。計算部でも構造心を自動計算するので、単純な形状の入力作業が減りました。

設計実績
▲設計実績
小梁に配置角度指定が可能
▲小梁に配置角度指定が可能
一本部材の指定
▲一本部材の指定
符号を選択すると同じ符号がカラー表示
▲符号を選択すると同じ符号がカラー表示

実際に『SS7』を使った印象はいかがでしたか?

『SS7』は形状の自由度が増した事と計算条件が増えた事により、より専門性の高いプログラムになったと思います。それは同時に、使い手である設計者がよく理解して使うべきではと考えます。本来、事務所ごとに設計の考え方が異なるので、計算条件も変わると思うのですが、最近はどこの事務所でも同じような条件で提出する傾向があります。設計者が理解して使うなら、色々なモデル化による設計が可能になり、使い易くなります。しかし設計者自身が理解せずに使うのであれば、計算条件を真似て設定する可能性があり、これは非常に危険だと思います。
建物や設計方法に応じた計算条件を選択できているか、その計算条件には制約が設けられていないか、プログラムがブラックボックス化していないか、を認識する必要性が生じます。つまり、プログラムを使用する怖さを感じているかということです。
しかし設計をよく理解している人には、使いやすいソフトウェアだと思います。私もまだまだ分かっていない機能がたくさんありますが・・。例えば、おかしな数値が出た場合、それを追跡して原因を突き止めるときには便利だと思います。『SS7』のマニュアルが、設計を学ぶための良い教科書になるのではないでしょうか。

本日は、ありがとうございました。

取材協力:榎本 浩二 様、牧野 一典 様

会社概要

【 会社名 】
有限会社 榎本設計
【 所在地 】
兵庫県神戸市
【 事業内容 】
構造設計業務・耐震診断業務

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