『Super Build/宅造擁壁』の導入事例
これは使える!と思いました。
有限会社 守時建築構造事務所
守時 靖之 様
所在地:兵庫県神戸市 業種:構造設計事務所
ご利用のきっかけを教えてください。
擁壁の設計は、当初『Microsoft® Excel®』や手計算で行っていましたが、十数年前にA社の擁壁設計プログラムを導入しました。そして、約9年前にユニオンさんからASPで『宅造擁壁』がリリースする事を聞き、試しに使ってみました。擁壁形状、入力項目、計算条件、安定計算における各検討項目、縦壁・つけね・(かかと・つま先)底版の応力計算、断面算定を展開式まで含め、詳細に計算出力ができると分かり、“これは使える!”と思いました。A社の擁壁プログラムは、出力用紙1枚程度でしたから、差は歴然でした。以降、ユニオンさんの『宅造擁壁』を愛用しております。
『宅造擁壁』について感想を聞かせてください。
建築で取り扱う擁壁は、主に宅地造成用となりますので、片持ち梁形式(逆T型、L型、逆L型)と重力式形状が扱えれば十分です。土圧計算においては、リリース当初より、試行くさび法が選択できていましたよね。地盤が軟らかい場合や背面土が山担ぎになるような形状では、当然検討が必要になります。背面土の地表面の傾斜が水平でない場合、『宅造擁壁』では、「地表面勾配」だけでなく、「縦壁天端からの水平面距離」、「嵩上げの高さ」が入力できます。形状どおりに入力して計算できますので、後で補正する必要がありません。また、『宅造擁壁』では主だった擁壁の指針があらかじめ登録されており、解説書には主だった行政の違いについて、まとめてくれています。同じ兵庫県下でも、神戸市と西宮市は独自で宅地造成工事許可に関する指針(手引き)があります。行政ごとに土圧係数や内部摩擦角の数値が決められていたりしますので、とても参考になりますね。L型擁壁底版の作用応力において、A社の擁壁プログラムでは、底版つけねの曲げモーメントをそのまま採用していますが、『宅造擁壁』では、応力の釣り合いにより、縦壁つけねの曲げモーメントを選択する事もできますね。当然、行政判断にもよりますが、これが、意外と違いが出るんですよね。『宅造擁壁』では、基本事項を確認し、擁壁形状を入力した時点で、条件の一番厳しい結果が瞬時に表示されますし、項目ごとに考慮したい計算条件が用意されていますので、もの凄く設計がはかどります。最近では、“擁壁が傾いた”とか“地盤沈下した”という裁判問題が多くなってきています。我々構造設計者も、今まで以上に慎重になって擁壁設計をしていかなければなりません。今後の擁壁設計において、地盤調査は標準貫入試験を導入し、粘土層がある地盤では、圧密沈下の検討をする必要がでてくるかもしれませんね。ゆくゆくは、安全証明添付の義務も生ずるでしょう。
『宅造擁壁』に関する要望等はありますか?
擁壁形状をCADデータ化してもらえると、より業務効率が上がると思います。
本日は、ありがとうございました。
取材協力:守時 靖之 様