1.操作が簡単
Windows®の標準操作仕様に準拠しているため、どなたにでも最初から簡単に操作することができます。汎用表計算ソフトウェアのセルデータから数値を貼り付けることや、ポップアップメニューに表示される補助機能を活用して効率よくデータ編集が行えます。
2.エラーサポート処理
入力画面ごとに可能な限りのエラーチェックを行っており、エラーやミスがあれば即時に通知します。さらに解析直前 のエラーチェックでは、エラーメッセージをクリックすれば、対象の入力画面の当該データ箇所にジャンプします。
3.免震構造や制震(制振)構造の解析も可能
免震構造や制震(制振)構造の解析も可能です。免震積層ゴムにおいて歪み依存性をもつ装置*1や、応答速度に依存する粘性型制震ダンパー*1*2も、型式名などの簡単な指示でこれらの特性を直接考慮することができます。
4.標準的に用いられる置換振動系モデル
『DynamicPRO』で取り扱う質点系振動モデルは、建物の地震応答解析で標準的に用いられる等価せん断型モデルと等価曲げせん断型モデル*1です。等価曲げせん断型モデルでは、建物の曲げ剛性を弾性とし、せん断剛性に対して非線形性を考慮します。 また、地盤-杭-建物における動的相互作用をスウェイ-ロッキングモデル(S-R モデル)として考慮できるほか、基礎免震形式であればスウェイ部を免震層とすることで簡便にモデルを作成することができます。
5.階ごとに復元力特性を複数設定することが可能*2
建物の階ごとに復元力特性を複数設定することができます。 例えば、RC造とS造の混在や柱梁架構と耐震壁架構の混在により、これらをまとめてしまうと適切な履歴則が定義できないことが多いですが、それぞれを個別に定義し重合させることで解決することができます。 また、既存建物に対して耐震補強要素を付加する場合や、主架構部に対して制震(制振)ダンパーを付加するような場合にも効果的です。付加する要素を種別ごとにグルーピングすれば、最大応答せん断力の分担状況の確認も行えます。この機能は等価せん断型モデルで適用されます。
6.免震部材は製造会社ごとに整理され、簡便モデルから高精度モデルまで選択可能
免震積層ゴムの特性は製品に応じて歪み依存性を持つものがあり、その簡便モデルとして修正バイリニアが多く用いられてきました。 『DynamicPRO』では各製造会社のゴム材料ごとに選択することで当該部材による修正バイリニアモデルとすることや、オプション機能*3によりさらに高精度なモデルである修正HD モデルとすることができます。
製造または取り扱い会社 | 種別 | 製品名または呼称 |
---|---|---|
株式会社ブリヂストン | 高減衰積層ゴム | MRB MRB-性能変化考慮 |
オイレス工業株式会社 | 鉛プラグ入り積層ゴム | LRB |
株式会社ブリヂストン | 鉛プラグ入り積層ゴム | MRB-L |
MRB-L-性能変化考慮 | ||
株式会社免制震ディバイス | 鉛プラグ入り積層ゴム | LRI |
ケイミューシポレックス株式会社 株式会社免制震ディバイス |
錫プラグ入り積層ゴム | SnRB |
株式会社ブリヂストン | 鉄粉ゴム混合材プラグ入り 積層ゴム |
e-RB |
株式会社免制震ディバイス | 転がり免震装置 | CLB |
(特性の直接指定) | 高減衰積層ゴム | - |
レンズダンパー推進協議会 | レンズダンパー | LSPD |
2024年12月現在(ソフト メニュー表示順)
製造または取り扱い会社 | 種別 | 製品名または呼称 |
---|---|---|
日鉄エンジニアリング株式会社 スリーエムジャパン株式会社 |
粘弾性ダンパー | VEM ダンパー |
スリーエムジャパン株式会社 | 粘弾性ダンパー | VEMダンパー・分数微分構成則モデル |
ハイブリッドVEMダンパー | ||
住友理工株式会社 | 粘弾性ダンパー | TRCダンパー |
住友ゴム工業株式会社 | 粘弾性ダンパー | 粘弾性ダンパー |
カヤバシステムマシナリー株式会社 | オイルダンパー | BDH 型制振用オイルダンパー BDS 型免震用オイルダンパー |
三和テッキ株式会社 | オイルダンパー | - |
センクシア株式会社 | オイルダンパー | ハイビルダム |
株式会社川金コアテック | オイルダンパー | アドバンス制震装置 |
KYDオイルダンパー | ||
飛島建設株式会社 | オイルダンパー | トグル制震構法® |
株式会社免制震ディバイス | 粘性ダンパー | 慣性こまiRDT |
免震用減衰こま | ||
免震用減衰こま (詳細モデル) |
||
制震用減衰こま | ||
制震用減衰こま (詳細モデル) |
||
明友エアマチック株式会社 | 粘性ダンパー | テイラーフルード 粘性ダンパー |
オイレス工業株式会社 | 粘性ダンパー | ビンガムダンパー |
制震壁 | - | |
日鉄エンジニアリング株式会社 | 球面すべり支承 | NS-SSB |
日本ピラー工業 | 剛すべり支承 | FM型剛すべり支承 |
2023年11月現在(ソフト メニュー表示順)
7.ユーザー定義(作成)地震動による解析
『DynamicPRO』では地動加速度を地震入力波として解析しますが、一般によく解析に用いる地震動波形や解析対象の建物の建設サイトに応じて作成された模擬地震動波形などは、ユーザーの簡単な操作でプログラムに読み込むことができます。 一度読み込みが完了すれば、それ以降の解析データで利用することができます。地震波を読み込むときは通常元波の振幅で行い、解析時に最大加速度や最大速度で基準化するか、元波に対する倍率を指定します。(最大速度による基準化は元波の最大速度の値を指定しているときに可能です)
8.豊富な非線形復元力特性モデルと減衰タイプ
履歴タイプ | 1) 線型 2) 標準型 3) 原点指向型 4) 最大点指向型 5) スリップ型 6) スリップ(拡張)型 7) スリップ木造型 8) 逆行型 9) 深田モデル 10) 武藤モデル 11,12) 武田モデル(2種) 13) PC型モデル(岡本・加藤)14) 鋼材ダンパーモデル1(耐力上昇線指定型) 15) 鋼材ダンパーモデル2(I-Kバイリニア型)16) ギャップ付きスリップ(拡張)型 |
---|---|
減衰タイプ | a) 質量比例型 b) 剛性比例型 c) Rayleigh型(2通りの指定方法)d) モード減衰定数指定型 e) 各部別内部粘性型 f) 歪みエネルギー比例型 g) 運動エネルギー比例型 h) 減衰係数指定 |
9.『Super Build®/SS7』および『Super Build®/SS3』との連動
一貫構造計算ソフトウェア(プログラム)『Super Build®/SS7』または『Super Build®/SS3』などから必要な処理を行いつつ、振動解析データを連動させることができます。
- *1『SS21/DynamicPRO-L』では扱えません。
- *2 『SS21/DynamicPRO 付加減衰オプション』が必要です。
- *3 『SS21/DynamicPRO 曲線型履歴オプション』が必要です。