1.簡単に地盤データを入力
- 深度、層厚のどちらでも入力できます。どちらかを入力すれば、もう一方のデータを自動計算します。
- 地層分割機能により、入力した地層データを後から簡単に分割することができます。
2.簡単に「告示波」を作成
- 露頭(解放)基盤で定義された地震動波形に対する設計用入力地震動を計算することができますので、工学的基盤をベースとした「告示波*1」の作成が簡単に行えます。
- 杭の地震時での検討や動的相互作用を考慮する際に用いる地盤の地震時変位や等価物性値も、同時に計算することができます。
3.「極稀」地震に対応する3波を標準搭載
- 露頭(解放)工学的基盤における地震動波形として、「極めて稀に発生する地震動*2」に対応する3種類の地震動波形を標準搭載しています。これらの地震動波形の位相分布はそれぞれ「1968年十勝沖地震八戸港湾*3EW波形の位相」、「1995年兵庫県南部地震神戸海洋気象台*4NS 波形の位相」、「一様乱数位相」としたもので、波形合成の適合条件*5を満足したものです。
- 工学的基盤における地震波は、利用者が作成したものを追加できます。
4.東京・神奈川・大阪での地盤特性を標準搭載
- 土の非線形特性として、東京・神奈川・大阪などの計15種類の特性*6を標準搭載しています。
- 建設地での地盤調査で動的載荷試験結果が得られないような場合において、設計者の判断でこれらの特性を用いることができます。
- 土の非線形特性は、利用者が作成したものを追加できます。作成はウィザードで簡単に行えます。
5.Hardin-Drnevichモデルが利用可能
標準搭載された土の非線形特性のほかに、ユーザーが登録した特性を用いることができます。その場合、各せん断ひずみγに対してせん断剛性率G/G0と減衰定数hを直接指定する方法と、動的載荷試験結果をまとめるのに多く採用されるHardin-Drnevichモデルを用いてパラメータを指定する方法の2種類が選択できます。
6.地盤データの利用
分割された地層ごとのせん断波速度が直接わからない場合は、『SS21/SoilBase2008』データ(地盤データ)よりN値または深度ごとに自動計算した平均N値から大田・後藤式で計算した結果を利用することができます。
7.簡便な液状化解析も可能
液状化の発生する可能性がある場合、解析で求まった各地盤の等価物性値を改めて入力値として利用し、線形解析を行うことで、「液状化の影響を考慮した簡便な解析」*7を行うことができます。
8.スムーズな処理が可能
- 地盤物性の境界面ごとに地層データを入力した後でも、地層分割機能により分割処理を簡単に行うことができます。
- データの有効範囲を超えるまたは矛盾があるときは、エラーチェックで該当箇所を示すメッセージが表示されます。
9.HDモデルの特性をそのまま指定可能
地質調査会社による土の動的変形試験の結果は多くの場合HDモデルとしてまとめられます。『ShakePRO-L』では土の動的変形特性を各ひずみに対して指定する方法とHDモデルのパラメータをそのまま指定する方法が選択できます。
10.『DynamicPRO』での解析データを自動生成
『ShakePRO-L』の解析手法は等価線形解析を用いているため、地盤の最大ひずみが1%を超えるような場合は一般に適用できません。その場合は逐次非線形解析を用いてより精度の高い解析が必要となりますが、『ShakePRO-L』では『SS21/DynamicPRO』で解析するためのデータファイルを生成し、両解析手法による検討が効率よく行えます。
- *1日本建築センター:時刻歴応答解析建築物性能評価業務方法書、BR構-02-01、平成13年4月
- *2国土交通省住宅局建築指導課ほか:2001年版建築物の構造関係技術基準解説書、平成13年3月
- *3独立行政法人港湾空港技術研究所:港湾地域強震観測データ
- *4一般財団法人日本気象協会:気象庁87型電磁式強震計波形提供リスト
- *5国土交通省住宅局建築指導課ほか編集:2001年版限界耐力計算法の計算例とその解説、2001年3月
- *6古山田耕司、宮本裕司、三浦賢治:多地点での原位置採取試料から評価した表層地盤の非線形特性、第38回地盤工学会研究発表会、pp.2077-2078、2003.7
- *7古山田耕司、山崎久雄:地盤物性と地盤応答、第7回構造物と地盤の動的相互作用シンポジウムpp.87-89、2003.12