(茨城県)
本建物は、図書館を主たる用途とする教育文化施設です。
1・2階は本建物の南にある既存建家と正対し、3・4階は敷地北側を流れる川と正対します。
結果として、3階床レベルで建物が30度捩れる形状となり、部分的に大きくオーバーハングします。その平面形状は極めて大雑把に例えると45m×32mの長方形の形状を有し、中間階で捩れます。建物高さは15mの4階建てです。
構造計画概要
3・4階は部分的とはいえ、オーバーハングしている箇所がありかつ2~4階の主要室は開架閲覧室と積載荷重が大きな部屋となることから、構造種別および形式は鉄骨造のブレース構造としました。
3・4階の荷重を安全に支持しつつコンクリート打放し仕上げとすることから1・2階の構造種別および形式は鉄骨鉄筋コンクリート造の耐震壁付きラーメン構造としました。
屋根を含め全階ともデッキスラブを設けています。したがって、すべて剛床仮定の成立する同一剛床として解析しています。
ただし、3階の大きな吹き抜け部は北・西面について剛床を解除しております。
全階、両方向とも構造計算ルート1を満足する壁(ブレース)量・柱量を確保する強度型の建物として設計しております。
『SS7』利用方法
通り数を極力少なくすること、節点同一化の指定を極力少なくして形状を入力することを心掛けました。結果、応力状態が把握しやすくなり、モデル化上の問題確認もスムーズにおこなうことができました。
3階テラスから2階児童開架スペースへつながる階段部分はダミー層の指定を利用して設計しました。
地震力の作用角度指定、ブレースのチェックなどに複数結果の保存機能を活用しました。
確認検査時の指摘事項や対処方法
基本設計の段階で確認検査機関および構造計算適合性判定機関と打合せをおこない、問題となることが予想される内容については、検討方法などを確認してから実施設計をすすめましたので、大きな指摘項目もなく、円滑に終えることができました。