(東京都)
この計画は、10階建て、37m×49m高さ32m最上層にペントハウス階を設けた自走式駐車場案件となります。
構造計画概要
床は合成スラブであるため剛床仮定とした立体解析モデルとしています。柱梁ブレースはH形鋼とし、水平力はすべてブレースで負担する設計としています。本建物は連続傾床の駐車場のため建物中央部に段差が生じています。段差部において片側の水平力を反対側へ伝達できるようにしなければならないため柱がせん断破壊しないよう若干余裕を持たせて設計しています。
『SS7』利用方法
『SS7』では斜めにスパイラル状に上っていく形式を入力できるため、層と層をつなげて実状モデルに近い入力を行うことを意識しております。実状モデルを入力している中で、『SS7』の機能アップで追加されたゾーン表示はモデル化の効率化に役立ちました。特に3D図で表示されるようになってからは、補強したい部分や剛度増減率を入力する際に直感的に判断することが可能になったので、ミスが少なくなったように感じております。
また、今回の駐車場案件のデータでは各層の部材配置が同じであることが多いため、『SS7』の層を指定してコピーをする機能が役に立ちました。弊社では駐車場案件を設計する際は、1棟だけに留まらず、スロープ棟、エレベーター棟など複数の建物を同時に設計するため、『SS7 Op.複数起動』の実装により、効率よく解析を行うことができました。今後は、最新バージョン以外の物件でも複数起動が可能になっていただきたいです。
また、『SS7 ST-Bridge 変換プログラム』よりSTBデータを作成し、Autodesk社のRevit®に読み込ませることで、BIMモデルの作成も行っております。今後、BIMソフトウェアの連携がより便利になるとお聞きしているため、期待しております。
確認審査時の指摘事項や対処方法
『SS7』に限らずですが、構造計算書内には記載されていない応力解析の内容を聞かれることが多くあります。その際に、結果出力に出てくるデータを資料として添付して対応しております。最新のバージョンでは2次部材関連が構造計算書内に含まれるようになったので、今後の指摘に応じてより改善されていくことを期待しております。
会社概要
CRESS FEED 株式会社は、土木・建築から、港湾、船舶、自動車、再生可能エネルギーまで、幅広い技術領域を手掛ける構造物設計・解析のプロフェッショナル集団です。2023年は新たに61年目を迎え新会社名で新たな船出となります。施設・設備・製品の計画、設計、解析業務を通じて、お客様のニーズにお応えできるよう務めて参ります。