(宮城県)
鉄骨造平屋建ての倉庫兼工場です。スパンはX方向が18スパン、Y方向が3スパンとなっています。上部構造はシステム建築となっており、基礎設計のみを扱いました。
構造計画概要
基礎設計のみとはいえ、鉄骨柱脚のアンカーボルトとの干渉チェック、また基礎コンクリートの破壊防止による礎柱の大きさなどの納まり、鉄骨柱脚の回転剛性に見合った基礎の大きさ選定、土間の支持方法に注意しました。また、実際に『SS7』へ入力していく際は、上部応力に対応した応力計算用特殊荷重(保有時を含む)を直接入力していきますが、その際の方向性にも注意して入力しました。
土間下の表層改良等の検討も行いました。
『SS7』利用方法
別のシステム建築専用ソフトで算出した上部応力を一旦、エクセルで保存し、『SS7』の応力計算用特殊荷重(シート入力)に対応したセル配置になるよう編集を行いコピー&ペーストで貼り付けました。その際には、節点数が多いことによる入力ミス(箇所・方向)に注意を要しました。
モデル化において、2層の建物として上部階高30mm、下部高さ柱脚下端から基礎底とした場合(上部鉄骨+2層のRC造)は、実際の構造物のモデル化(上部鉄骨+基礎)から外れてくるので、基礎部のみのモデル化としました。
別途検討項目
ミスを少なくするという意味では通常のマウス入力が適していると思われるが、範囲指定を行うと部材が配置されていない箇所にも荷重が配置されてしまうので、シート入力で配置を行った後にマウス入力画面で確認するという流れになりました。部材配置されていない箇所には荷重も配置できない機能があれば良いと思います。
今回の建物のように独立基礎としている場合、別途基礎検討が必要となります。
確認審査時の指摘事項や対処方法
主に指摘されたのは以下の4点となりました。
- 土間の積載荷重対応は、土間とはいえど施工時荷重等も考慮した床荷重考慮を行っているか。
- 上部応力の方向性に注意しているか、上部応力に対応した応力計算用特殊荷重入力が正確か。
- 偏心基礎について、なるべく両方向偏心基礎とならないように、また偏心基礎としても偏心量の小さい基礎とする。
- 土間の支持方法を図面に明記すること。