(東京都)
本計画では、地上9階地下1階SRC造建物の解体を、解体重機の階上解体にて行う際の構造体の強度検討をしました。解体重機の積載荷重を変えながら、構造体強度内に収まる重機の選定と、その際のスラブ補強サポートの配置計画を目的としています。
構造計画概要
各階上に解体重機荷重を積載して構造体の検討を行います。梁スラブの構成上、屋上積載時、一般階積載時、2階積載時には、補強サポートを下部2層に設置するものと仮定します。4階積載時には補強サポートに加え、H形鋼1層、1階積載時にはピット内1層の補強サポートを仮定して構造体の強度検討を行いました。
- 屋上、一般階、2階・・・下部2層に補強サポート
- 4階載荷時 ・・・補強サポート&H形鋼
- 1階載荷時 ・・・ピット内1層に補強サポート
『SS7』利用方法
〈断面算定〉
今回の検討は、既存建物の強度検討が目的のため、構造体断面を入力し、『SS7』の断面算定機能を使用することで完結しました。
〈荷重入力〉
重機荷重については、重機を雑壁としてモデル化して入力しました。入力項目[7.8.フレーム外雑壁]の荷重を周辺梁のCMoQoとして伝達する機能を利用して載荷することができました。
〈補強サポート・スラブのモデル化〉
補強サポートの配置については、サポートの基端終端の
節点をスラブ内に考慮する必要があるため、スラブ構造を
[7.2.大梁]でメッシュ化して配し、その交点に間柱と
して補強サポートを配置しました。
〈補強サポートの配置計画〉
『SS7』では、軸の追加・削除・間隔の変更を、構造体入力完了後でも容易にできます。そのため補強サポートの配置計画のようなトライアンドエラーを繰り返す場合にも、複数部材を一度に選択・編集できるので、入力時の省力化になりました。また、部材の表示や一本部材の指定が視認しやすいので入力のチェックや修正をする際に有効です。
別途検討項目
メッシュ化したスラブを梁として入力するために、上位梁の設定を工夫する必要があります。通常構造では梁の上端下端にそれぞれ梁が取り付くことはありえないので二重スラブの設定の際などに上位梁を分割して設定するなどの工夫が必要でした。