構造計画概要
X1~X6までは2階建てですがX6~X7で大きな吹き抜けがあること、またX7妻面に13mの吊り建具があり、たわみを3mm以下にしないと建具の開閉ができなくなる。吹き抜けの両サイドにかかる大梁への風圧の処理、座屈をどうするかが設計のポイントでした。
『SS7』利用方法
吹き抜けサイドの大梁の風圧と座屈止めは、屋根の下に、山形のフレーム(3層)を仕込み、3層と2層で節点同一化を利用して大梁を風圧と座屈止めを兼ねた架構としました。妻面の2層の大梁も風圧に対して3層の梁でX6通りの柱まで荷重伝達させて抵抗させました。
また、X7通りの鉛直方向のたわみを抑えるために壁ブレースを入れて変形を抑えた設計としています。偏心を抑えるためにX6通りにもブレースを配置しました。
2階は、X5~X6間がつながっていない、ツイン建物であるため、『SS7』で多剛床の指定をして解析しました。『SS7』では、多剛床の指定ができるようになり、それぞれの偏心率や保有耐力が自動で計算することができ、昔のように手計算の必要がなくなりましたので、作業量も減りました。
確認検査時の指摘事項や対処方法
『SS7』の解析が信用あるのか、モデル化に対する指摘は確認機関、適判共にありませんでした。他の事例ではありますが、適判の方に『SS7』の機能である[構造計算書コメント]の書き方を教わることもありました。
ユニオンシステムの良い点
ユニオンシステムのソフトは『SS1』のときから使用していますが、いつもサポートの返答が早いことが良い点です。他社では質問してから1年以上放置されている件もあるのに対して、ユニオンシステムのサポートセンターは問い合わせたその日に何かしらのアクションを起こしてくれるので安心しています。また、昔からバグを見つけて連絡すると比較的早急に解決してくれるので、今では細かい要望はたくさんあるものの、普段使いには満足しています。
ユニオンシステムに期待すること
『SS7』が他のソフトに比べて、入力のしやすさが全然違うので、『WRC』などでも同じようなウィンドウで入力することができればもっと使いやすいと感じます。また、『SS7』についても要望点があり、10数年前から伝えていることなどがあるので、大きな修正点はないですが、今後も改善していくように期待しています。