構造設計の多様性を実現する新しい一貫構造計算ソフトウェア
Super Build®/SS7 Premium
MSモデル
マルチスプリングモデルによる弾塑性解析計算を行う『SS7 Premium』限定の機能です。
コンクリート部材のひび割れによる剛性低下や、部材断面主軸方向とは異なる方向への変形に対応した部材耐力の評価が可能となります。
1.特長
- 柱および耐震壁の解析モデルをマルチスプリング(MS)モデルで、弾塑性増分解析を行います。
- 部材断面を分割し、各要素の材料特性に応じた軸バネを自動設定します。
- 要素の軸バネごとに降伏判定、剛性低下を考慮します。そのため、コンクリートのひび割れによる剛性低下を逐次評価することができます。また、部材断面主軸方向とは異なる方向への変形に対応した、部材の耐力評価を行うことができます。
- 円形断面について等価断面に置換することなく、そのままの形状による部材評価が可能です。
- 部材の復元力特性をトリリニアではなく曲線で評価することができます。
2.入力
- 解析モデルを「MSモデル」か「材端回転バネモデル」のどちらかを採用するか選択できます。
- 部材ごとに解析モデルを個別指定することができます。
- 曲げ降伏と判定する軸バネ降伏割合を指定することができます。
3.計算
- RC柱、S柱、SRC柱、CFT柱、RC耐震壁、SRC耐震壁を対象に、部材断面を自動で要素分割します。
- 各要素の材料特性に応じた軸バネを設定した軸バネ群(以下、MSブロック)を作成します。
- 柱に取り付く袖壁も断面を分割し、MS要素に考慮します。
- MSブロックの剛性低下率を、既存の材端回転バネモデルへ適用し、MSモデルを考慮した解析を行います。
- それぞれの材料の軸バネは下図に示す材料特性を持つものとします。
- MSブロックの軸バネ長さは、部材内法長さ1/10で計算を行います1)。
- 降伏判定、剛性低下率の計算は、MSブロックで行います。
- コンクリートによる軸バネと、鉄筋・鉄骨による軸バネの両方ともが指定割合以上、軸降伏したとき曲げ降伏と判定します。
- MSブロックの最大軸変位の指定値(入力指定による。デフォルト値は5%)以下の軸変位の軸バネは、中立軸付近に存在しているものと判断し、曲げ降伏判定の割合から除外します。
1) 本プログラムでは、回転バネの剛性低下率の算出をMSモデルで行うため、軸バネ長さの影響はありません。そのため、軸バネ長さを部材内法長さ1/10で固定としています。(参考文献 岩田大樹,野牧貴行,濵本泰輔,中本大暉,勅使川原正臣,浅井達也,材端剛塑性回転ばねに置換したMSモデルの提案 その1 解析モデルと数値検証,日本建築学会大会学術講演概要集,2023.09)
4.出力・作図
- 分割した部材断面のどの要素が降伏しているかを断面図によって視覚的に表示します。