1.第1次診断
1次診断用Isは、「RC診断基準」を参考にして計算しますが、鉛直部材の定義、軽量コンクリートの取り扱い、有開口耐震壁の開口による低減、雑壁の取り扱いなどにおいては、弊社の判断による部分があります。
2.第2次診断
- 2次診断用Isは、第1次診断の場合と同様に、「RC診断基準」を参考にして計算します。
- 鉛直部材の終局曲げモーメントは、指定により診断基準式または、断面タイプを最大7つのピースに分割する完全塑性理論により計算します。
- 垂壁、腰壁がある場合、指定により内法高さを加力方向ごとに算定します。また、直接入力で補正できます。
- 柱と壁が連続する場合の反曲点高さは、「RC診断基準」(11)式によります。
- 鉛直部材は、柱、両側柱付壁、袖壁付柱(柱型付壁)、柱なし壁に分類します。
- 鉛直部材のグルーピングと保有性能基本指標は、鉛直部材を靭性指標により最大13グループに分割した上で、最大3種類にグルーピングし直します。保有性能基本指標は、それらすべての組み合わせからIsが最大となる組み合わせを決定します。
3.第3次診断*1
- 3次診断用Isは、第2次診断の場合と同様に、「RC診断基準」を参考にして計算します。
- 梁の曲げ終局強度は、指定により診断基準式または、断面タイプを最大9つのピースに分割する完全塑性理論を用いて計算します。破壊形式は節点振り分け法によります。
- 鉛直部材の曲げ終局強度は、2次診断の場合と同様に計算します。
- 両側柱付壁については、水平外力分布を仮定し、曲げ降伏、せん断破壊、または回転降伏のモードを考慮した連層壁として、耐力と靭性指標を定めます。水平外力分布については、震度逆三角形分布、外力逆三角形分布、外力等分布、層せん断力AiΣWi分布の4種類のうち、いずれか1つを選択します。
- 鉛直部材のグルーピングと保有性能基本指標は、鉛直部材を靭性指標により最大14グループに分割した上で、最大3種類にグルーピングし直します。保有性能基本指標は、それらすべての組み合わせから、Isが最大となる組み合わせを決定します。
- Eo指標の優遇(崩壊モード形による優遇)への対応として、Eo指標の補正係数λ(入力値)を考慮します。
4.第2種構造要素の検討について*1
- 長期軸力を支持し得るか否かの検討を行い、作用軸力が残存軸耐力を超えている部材が何本存在するのかを参考値として出力します。
- 指定により、作用軸力が残存軸耐力を超えている部材に対して周辺部材に再配分可能かどうかを検討することもできます。
5.枠付き鉄骨ブレースによる補強*2
「RC改修指針」に記されている破壊形式、”タイプI”(鉄骨ブレース破壊)、”タイプII”(接合部破壊)、”タイプIII”(全体曲げ破壊)、”タイプIV”(柱の極脆性破壊)、”その他”(基礎回転破壊)における局面耐力やF指標を計算します。
6.荷重増分解析結果を利用した第3次診断*1 *3 *4
『US2(改)』の荷重増分解析法による解析結果を用いて第3次診断を行うことができます。これにより、下階柱抜け、下階壁抜けやオーバーハングといった壁が偏在するフレームも計算することができます。
- *1第3次診断と第2種構造要素の検討(再配分軸力を周辺柱で支持し得るか否かの検討)は、評価の審査を受けておりませんので、評価適用外の扱いとなります。
- *2オプションソフトウェア『Super Build®/RC診断 Op.1』が必要です。
- *3オプションソフトウェア『Super Build®/RC診断 Op.3次増分』が必要です。
- *4オプションソフトウェア『Super Build®/RC診断 Op.2017』では取り扱いません。