(大阪府)
この計画は、4階建てRC+S+SRC造のごみ処理施設です。屋根から煙突が立ち上がり煙突の最上部でGL+49.0mとして計画しました。また、管理棟に至る渡り廊下も一体として計画しました。
構造計画概要
柱はH形鋼とH形鋼を内蔵したSRC造、およびRC造とし、基本グリッドは4.5m~7.5mです。構造形式は耐震壁付ラーメン構造とブレース付きラーメン構造です。耐震壁および壁面ブレースにより水平力に対応しています。部分的にツインタワーとなっているため、主剛床および副剛床を設けました。また、主剛床の中にも吹き抜けがあるため、水平面にRCスラブおよび水平ブレースを設けることで剛床となるように計画しました。
『SS7』利用方法
当初は部分的な概算検討を行った後に『SS3』にてモデル化して詳細検討を行う予定でしたが、非剛床モデルとしたときの2次設計に不安があることや、ダミー層の考え方、層をまたがる部材の配置(壁面ブレース形状)に対する入力のしやすさから、思い切って『SS7』でモデル化することを決断しました。
モデル化上、苦労したのはダミー層の設定方法です。ダミー層とすることで、その層の重量が上下どちらかの層に加わることとなるため、上層のダミー層とすることが安全側となると考えて設定しました。最終的には、単位面積当たりの荷重や応力、変形など基本的なことをひとつずつ確認しながら進めました。本建物は、その用途上、一般的な建物と比べると複雑ですが、計画建物とほぼ同じ形状で入力できて、画面上でも確認できることが最大のメリットで、正確かつ迅速に作業することができました。
別途検討項目
水平ブレースに発生する応力とブレース耐力との比較などは手計算で補いました。柱や梁や耐震壁や壁面ブレースといった主要構造材は『SS7』でのみ設計しています。
確認検査時の指摘事項や対処方法
『SS7』がリリースされた直後と言うこともあり「算出された応力が正しいのか。」といった不安がありました。実際に部分的な概算検討を行っており、値も大きくずれるものではありませんでしたので、安心して使用することができました。最近であれば『SS7』での提出実績も増えていると思いますので、そういった基本的な不安はなくなっていると思います。