本建物は、傾斜および段差がある建設地を活かした、地上3階建て(S造)+地下1階(RC造)の大学施設です。
構造計画概要
建物上部は鉄骨造の純ラーメン構造にて計画しました。建設敷地の傾斜および段差により、部分的に地下構造となるため、部分地下となる層はRC造の耐震壁付きラーメン構造にて計画しました。
部分地下層は天井高1/3以上が地盤面下であったことから、確認申請上は地下階となりますが、地盤と接する部分が階高の2/3以下かつ地盤と接している外壁全周面積が75%以下であったことから、構造上は地上1階として検討を行いました。
また、基礎は杭基礎にて計画しました。
『SS7』利用方法
部分地下層が構造上地上1階となることから、全階数4階のS造とRC造の混構造としてモデル化することにより検討を行いました。また、RC梁の高さが部分的に異なるため、梁レベル調整を行うことにより、実状に合わせてモデル化を行うことができました。
別途検討項目
杭は別途検討し、杭頭モーメント直接入力にて一貫計算に入力し、検討を行いました。
また、屋上に腰屋根を設置するため、腰屋根構造部材は2次部材として手計算にて検討し、伝達荷重を特殊荷重として一貫計算に入力することにより、実情に合わせた検討を行うことができました。
確認審査時の指摘事項や対処方法
入力項目[5.8.地震荷重-傾斜地、部分地下における地震力の扱い-中間支持される重量w’の扱い]で“w’は地震用重量に含めず、P’を求める際は直上階のQを用いる”を指定していたため、中間支持の重量が地震時水平力に考慮されていないとの指摘がありました。
中間支持される重量は地盤および杭に伝達すると考え、一貫計算入力は変更せずに検討を行い、中間支持される重量による地震時水平力を杭検討に加算し、杭仕様を大きくすることで対処を行いました。