物件データ
Building Data
用途
保育園
構造種別
木造(在来軸組工法)
階層
1階
設計
株式会社 野口豊高建築構造設計
(福岡県)
(福岡県)
福岡県にある郊外の保育園計画(700㎡程)である。田園と低層建物に囲まれた郊外の保育園で、子育てに適した環境である。 本建物は、本来エキスパンションジョイントを設けて2棟とするところ、建物の使い勝手を考慮し、1棟にて計画した。今回は木造で複雑な形態であることから基本・実施設計を『SS7 Op.木造ラーメン』にて実施した。
構造計画概要
- 建物平面形状が、大きなL型に小さなL型が組み合わされた形状で、左下にR壁が配置されている。また、4枚の屋根が、独立した片流れ屋根として機能している。
- 立面形状は、平屋で勾配が異なる屋根が複雑に絡み合っている。ハイサイド開口や大開口があり、気持ちの良い空間となっている。
- 有効な空間を確保し、R階の水平剛性を確保するため大梁を登梁とし構造用合板にて水平剛性を高めている。4枚の板が交互に配置されているイメージである。
- お遊戯室等、木造で7.5mのロングスパン大梁部材がある。
- 建物全体のコスト削減のため、全てを木造とした。
『SS7』利用方法
- 平面および立面形状が複雑であるが、ダミー層・節点同一化・節点移動等を用いて、ほぼ実状どおりモデル化を行った。
- 『SS7』がリリースされてから、鉄骨造・RC造であれば、複雑な形態も解析可能であったが、本建物のような木造建築は任意形プログラムでしか実現できない形態であった。今回は、不整形な木造建築を『SS7 Op.木造ラーメン』を用いて一貫計算で設計を行った。
- 700㎡程の木造を実状どおりにモデル化するために、X方向59スパン、Y方向34スパンとなり大規模物件以上に入力の手間を要した。
- 柱や梁の勝ち負けも正確に入力でき、片持梁や梁の上下移動なども入力できるので、梁柱の納まり検討も容易に行うことができた。
- 下部構造はRC造によるべた基礎、上部構造はすべて木造とした一体モデルで解析した。
別途検討項目
- 木造金具が別検討となっているため、木造金具の別検討を行った。
確認審査時の指摘事項や対処方法
- モデル化や検討内容に対して、クリティカルな指摘はなかった。
- 通り軸が多く構造部材が多いため、通常よりも不整合の指摘があった。