(東京都)
本計画は、13階建てPRC造のホテルです。2階以上は1層当たり2室、または、1室の客室として計画され、1階はエントランスホールと軽食を提供できるスペースとして解放感のある空間を計画しています。
構造計画概要
客室にはある程度壁が必要であることと、最も耐震要素が必要な1階は開放的にするという計画に対して、上層の耐震壁を1階では厚さ500mmのアーチ壁で受ける構造計画を行っています。上階の客室は比較的小さい面積になることから、柱、梁にPC鋼材を配線させたPRC造とすることで、柱、梁、耐震壁を同厚にすることが可能となり、客室内に柱型、梁型が出ないすっきりとした空間を計画しました。
『SS7』利用方法
アーチを計画した意図は、上階の耐震壁を軸力系の応力として基礎へ伝達させるためですので、1階にダミー層を設けたり、節点同一化をさせたりすることで斜め部材をモデル化し、設計意図どおりのモデル化を行いました。補足としては、FEM解析との比較を行いながら『SS7』ではモデル化を行っています。PRC部材は終局耐力を別途計算し、『SS7』には耐力を直接入力して保有耐力の検討を行いました。
『SS7』を利用するメリット
今回のようなアーチ形状のモデル化に限らず、過去には円形上のフレーム等、複雑な平面、立面計画を行っていますが、ビジュアルでわかりやすくモデル化できるので非常に便利だと感じています。
さらには、耐力指定をする際にモデル図に指定する部材が強調されて表示されること、スタディを重ねる際に計算結果が5つまで残せて比較が容易にできることなど、構造計算を進めていく過程でストレスをまったく感じさせないことに驚いています。しかしながら、どのような建物でもモデル化が可能であることから、モデルの妥当性を別途で検証を行いながらモデル化を進めるよう気を付けています。